2025.3.17

ルーヴル・アブダビのドームで作品が展示できるチャンス。「リシャール・ミル・アート・プライズ」が応募を受付中

ルーヴル・アブダビがリシャール・ミルと共同で開催している「リシャール・ミル・アート・プライズ」が、第5回目の募集を行っている。新進気鋭から中堅のアーティストを対象に、ルーヴル・アブダビのドームでの作品展示の機会が与えられる。

「Art Here 2023 – ‘Transparencies’」の展示風景より © Department of Culture and Tourism – Abu Dhabi. Photo: Ismail Noor/Seeing Things
前へ
次へ

 ルーヴル・アブダビが、第5回目の「リシャール・ミル・アート・プライズ」の応募を受け付けている。募集締切は4月30日まで。

 この賞は、スイスの高級腕時計ブランドであるリシャール・ミルがスポンサーを務める毎年開催のアート賞であり、「Louvre Abu Dhabi Art Here」展の一部として開催。新進気鋭から中堅のアーティストを対象に、ルーヴル・アブダビのアイコニックなドームでの作品展示の機会を与える。

 今年のテーマは「影」。GCC(湾岸協力会議)地域および日本、さらに中東・北アフリカ地域でGCCとのつながりのあるアーティストからの提案を募集しており、とくに、屋外空間に適した彫刻や没入型インスタレーションに特化した作品が推奨されている。

「Art Here 2023 – ‘Transparencies’」の展示風景より © Department of Culture and Tourism – Abu Dhabi. Photo: Ismail Noor/Seeing Things

 今年の「Louvre Abu Dhabi Art Here」展のキュレーションを担当し、リシャール・ミル・アート・プライズの審査員も務めるのは、スイスと日本のバックグラウンドを持つキュレーターであり編集者であるソフィー・麻由子・アルニ。「影」というテーマは、谷崎潤一郎の『陰影礼賛』からインスパイアされているという。日本の伝統的な「障子」やアラブ首長国連邦の「マシュラビーヤ窓」など、光を柔らかく拡散させる建築的要素を反映しながら、オアシスの椰子の木陰に見える影から着想を得たルーヴル・アブダビのドームとも共鳴している。

「Art Here 2023 – ‘Transparencies’」の展示風景より © Department of Culture and Tourism – Abu Dhabi. Photo: Ismail Noor/Seeing Things

 アルニは声明文で次のようなコメントを寄せている。「2025年のリシャール・ミル・アート・プライズでは、新たな地平が開かれました。第5回目の開催となる今回は、地理的範囲を日本に拡大し、東洋と東洋の対話を促進し、日本的美学と中東・北アフリカ地域との関係を探求する機会を提供します」。