2024.11.1

三連休に見たい展覧会ベスト17。ポケモン工芸、舟越桂、Nerhol、北アルプス芸術祭まで

この三連休に閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」(麻布台ヒルズ ギャラリー)展示風景より、桑田卓郎の作品群
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もうすぐ閉幕

「北アルプス国際芸術祭」

展示風景より、ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット《ささやきは嵐の目の中に》

 3000メートル級の山々が連なる北アルプス山脈の麓に位置する長野県北西部の大町市。ここを舞台に、2017年に初開催された「北アルプス国際芸術祭」の第3回目は11月4日まで。会場のレポートはこちら

 北アルプス山麓の地域資源をアートの力で世界に発信することで、地域再生のきっかけとなることを目指し、今年は信濃大町の魅力とも言える「水・木・土・空」をテーマに掲げ、10の国と地域から31組のアーティストが参加している。

 須沼神神社の境内にある神楽殿の宮山香里によるインスタレーションや、ソン・ミンジョンが屋内ゲートボール場で展開した作品、八坂公民館の周りを編み込んだ竹で囲んだヨウ・ウェンフーの作品など、地域の生活と歴史に根ざした作品が見どころとなっている。

会期:2024年9月13日~11月4日
会場:長野県大町市
住所:0261-85-0133
開館時間:9:30~16:30 
料金:作品鑑賞パスポート 一般 3000円 / 16〜18歳 1500円 / 15歳以下 無料
URL:https://shinano-omachi.jp

「舟越桂 森へ行く日」(彫刻の森美術館

展示風景より

 神奈川・箱根の彫刻の森美術館で、今年3月に逝去した彫刻家・舟越桂(1951~2024)の展覧会「舟越桂 森へ行く日」が11月4日まで開催されている。会場レポートはこちら

 舟越は1951年岩⼿県盛岡市⽣まれ。75年に東京造形⼤学彫刻科を卒業し、77年に東京藝術⼤学⼤学院美術研究科彫刻専攻を修了。遠くを見つめるまなざしを持った静かな佇まいの人物像で知られており、今年2024年3月29日に逝去した。

 本展は、生涯を通じて人間とは何かを問い続けた作家の作品の変遷と、その創作の源となる視線にせまるものとなる。「僕が気に入っている」「人間とは何か」「心象人物」「『おもちゃのいいわけ』のための部屋」といった4つのテーマで紹介される作品の数々には、目には見えない人間の心の姿が舟越の視線を通じて立ち現れている。

会期:2024年7月26日〜11月4日
会場:彫刻の森美術館 本館ギャラリー
住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
電話番号:0460-82-1161 
開館時間:9:00〜17:00 ※⼊館は閉館の30分前まで
休館⽇:年中無休
料金:大人 2000円 / 大学・高校生 1600円 / 中学・小学生 800円 / 未就学児無料

「Nerhol 水平線を捲る」(千葉市美術館

展示風景より

 紙を用いてグラフィックデザインを行う田中義久(1980~)と、紙や文字を素材に彫刻をする飯田竜太(1981~)が2007年に結成したアーティストデュオ・Nerhol(ネルホル)。その美術館初となる個展「Nerhol 水平線を捲(めく)る」展は、千葉市美術館で11月4日まで。会場レポートはこちら

  本展では、これまでの活動における重要作や未発表作に加え、千葉市の歴史や土地と関わりの深い蓮をテーマとした最新作、さらにはふたりが選ぶ美術館のコレクションを展示し、この場所だけでしか体験できない空間を創出する。

 人間の知覚や現代社会における一義的な認識ではとらえることができない、Nerholによる時間と空間の多層的な探究は、千葉の地で豊かな展開を見せている。

会期:2024年9月6日〜11月4日
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
電話番号:043-221-2311
開館時間:10:00〜18:00
休館日:9月9日、24日、10月7日、21日※第1月曜日は全館休館
料金:一般 1200円 / 大学生 700円 / 小・中学生、高校生 無料

「瑛九―まなざしのその先に―」(横須賀美術館

瑛九 空の目 1957 宮崎県立美術館蔵

 横須賀美術館で、企画展「瑛九―まなざしのその先に―」が開催されている。会期は11月4日まで。

 瑛九(えいきゅう、1911〜1960)は、油彩画のみならず、写真、版画など多分野で創作活動を行い、作風も印象派やシュルレアリスム、キュビスムなどに刺激を受けながら、めまぐるしく変貌し、絶えず新しい表現を模索し続けた。また、批判的精神を持ち続け、美術や社会に関する評論活動に精力的に行い「デモクラ―ト美術家協会」を組織するなど指導者としての顔も持った瑛九の存在は、その作品とともに、同時代や後進の芸術家たちを惹きつけ多大な影響を与えた。

 本展では、最初期から絶筆に至るまでの油彩画を中心に「フォト・デッサン」による写真作品、銅版画やリトグラフなど、各分野の代表作による約100点を一堂に展示。自ら理想とする美を追求し続け、戦前・戦後を駆け抜けた瑛九の軌跡を紹介する。

会期:2024年9月14日~11月4日
会場:横須賀美術館
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
電話:046-845-1211
開館時間:10:00~18:00
休館日:10月7日
観覧料:一般 1300円 / 高校・大学生、65歳以上 1100円 / 中学生以下、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と付添1名 ※11月3日は無料

特別展「眼福―大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」(静嘉堂文庫美術館

展示風景より、ギャラリー2「憧れの茶入―"大名物"、"中興名物"の賞玩」

 東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)の特別展「眼福―大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」は11月4日まで。会場レポートはこちら

 静嘉堂所蔵の茶道具は、三菱第2代社長・岩崎彌之助(1851~1908)とその嗣子で第4代社長の岩崎小彌太(1879~1945)の父子二代によって、1884年頃から1945年までに収集されたものだ。

 静嘉堂として8年ぶりの茶道具展となる本展では、将軍家や大名家旧蔵の由緒ある墨跡や花入、茶入や名碗をはじめ、著名な茶人たちの眼にかなった、姿・かたちの美しいものから渋みや風格をたたえた作品までが一堂に会している。

会期:[前期]2024年9月10日~10月6日、[後期]2024年10月8日~11月4日
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~17:00(土は〜18:00、第4水曜日 9月25日、10月23日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで 
休館日:月(ただし、9月16日、9月23日・10月14日、11月4日は開館)、9月17日、9月24日、10月15日、11月5日 ※10月28日はトークフリーデーとして開館 
料金:一般 1500円 / 大高生 1000円 / 中学生以下 無料

落合陽一「どちらにしようかな、ヌルの神様の言うとおり:円環・曼荼羅・三巴」(日下部民藝館)

メインビジュアル

 日下部民藝館で、落合陽一による個展「どちらにしようかな、ヌルの神様の言うとおり:円環・曼荼羅・三巴」が11月4日まで開催されている。

 近年、とくに「神仏習合」をテーマに、計算機自然と伝統、物質と非物質の融合を推し進めている落合。本展では、デジタルネイチャーの概念と日本の伝統的なシンボリズムが交錯する新たな表現を試み、円環、曼荼羅、三巴といった象徴を通じて、存在の本質を探求している。

 デジタルネイチャーの概念がいかに現代社会と共鳴し新たな文化を生み出すのか、その過程を共有する。

会期:2024年9月14日~11月4日
会場:日下部民藝館
住所:岐阜県高山市大新町1-52
電話:0577-32-0029
開館時間:10:00~16:00
休館日:火(祝日の場合は開館)

「いわいとしお × 東京都写真美術館 光と動きの100かいだてのいえ―19世紀の映像装置とメディア」(東京都写真美術館

岩井俊雄 映像の夜明け100かいだてのいえ 2024 ⓒIwai Toshio

 東京都写真美術館で「いわいとしお × 東京都写真美術館 光と動きの100かいだてのいえ―19世紀の映像装置とメディアアートをつなぐ」が11月3日まで開催されている。 

 人気絵本『100かいだてのいえ』の作者いわいとしおは、日本を代表するメディア・アーティストの岩井俊雄でもある。岩井は、幼少からアニメーションに強い興味を持ち、パラパラマンガや驚き盤を現代のテクノロジーによって進化させた作品「時間層」シリーズによって、独自のメディアアートを確立した。

 本展では、岩井のメディアアートと、その原点となる19世紀の映像装置をつなぎ、光と動きが生み出す視覚体験のおもしろさと、それらをつくり上げた科学者や芸術家たちの飽くなき探求心を解き明かす。

会期:2024年7月30日~11月3日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木金〜20:00、ただし、7月18日~8月30日の木金は〜21:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:月(祝休日の場合は翌平日)
観覧料:一般 700円 / 学生 560円 / 中学・高校生 350円 / 小学生以下無料

もうすぐ開幕

「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」(麻布台ヒルズ ギャラリー)

展示風景より、吉田泰一郎《ミュウツー》(2024)

 これまで国立工芸館(石川)をはじめ、アメリカや日本各地で巡回開催されてきた「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」展が、ついに東京で開幕した。会場レポートはこちら

 本展はポケモンと工芸の出会いから生まれる「化学反応」をテーマにしたもの。人間国宝から若手アーティストまで20名の作家が挑戦し、ポケモンの姿や動作、雰囲気を表現した作品や、進化や通信、旅の舞台などゲームの要素を取り入れた作品を展示する。また、日常生活を彩る器や着物、装身具にポケモンを取り入れた作品も展示され、観客はその美しさと技の発見を楽しむことができる。

 東京の展示では、これまでの巡回展からさらにバージョンアップし、新たに数名の作家による追加作品を含めた約80点の作品が展示。出品作家には池田晃将、池本一三、今井完眞、植葉香澄、桂盛仁、桑田卓郎、小宮康義、城間栄市、須藤玲子、田口義明、田中信行、坪島悠貴、新實広記、林茂樹、葉山有樹、福田亨、桝本佳子、水橋さおり、満田晴穂、吉田泰一郎などが名を連ねている。

会期:2024年11月1日〜2025年2月2日 ※前期・後期にて展示替えあり
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
開館時間:10:00〜19:00(金、土、祝前日〜20:00) ※最終入館は閉館30分前まで
休館日:12月31日
料金:ウェブサイトを参照

「Art Collaboration Kyoto」(国立京都国際会館)

「Art Collaboration Kyoto 2023」イベントホールの会場風景 Courtesy of ACK, photo by Moriya Yuki

 「コラボレーション」をコンセプトに開催されている国際的なアートフェア「Art Collaboration Kyoto(ACK)」が、11月1日〜3日の会期で国立京都国際会館にて開催される。

 今年のフェアには、世界中の老舗から新進気鋭のギャラリーまで69軒が参加し、「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」というふたつのセクターで展示される。加えて、ACK主催の「ACK Curates」として、毎年異なるテーマに基づく企画展「パブリックプログラム」や「ACK Talks」「ACK Kid’s Programs」などの多彩なプログラムも展開される。

 「ACK Curates 2024」のテーマは「Resilience~わたしたちがつなぐものたち」であり、これまで掲げてきた「アート起点の繋がりと新しい価値の創出」「コミュニティ形成と長期的な向上」「アートにおけるエコシステムの整備と発展」といったビジョンの実現をさらに強化することを目指す。

会期:2024年11月1日〜3日
会場:国立京都国際会館ほか
住所:京都市左京区宝ヶ池
開館時間:12:00〜19:00(最終日は11:00〜17:00/入場は閉場の1時間前まで)
料金:一般 3000円 / 大学生・高校生 1500円

「田村友一郎 ATM」(水戸芸術館現代美術ギャラリー

 これまで既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手がけてきたアーティスト、田村友一郎。その個展「田村友一郎 ATM」が11月2日より水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催される。

 田村は、写真、映像、インスタレーションからパフォーマンスや舞台まで、多彩なメディアを横断し、ある土地の持つ、固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで幅広い着想源をもとに、現実と虚構を交差させた多層的な物語を構築することで、既存の歴史や記憶へ新たな解釈を付与し、それらを現代へと接続する。

 本展では、水戸芸術館現代美術ギャラリーの英語表記「Art Tower Mito」の略称「ATM」から着想を得た新作《ATM》を発表。来場者は、田村がこれまで書き綴った膨大なテキストを手がかりとして生成AIが創作するショートストーリーによって、田村の作品世界へと導かれる。新作《ATM》では、この述作という行為を生成AIに委ねることで、田村の過去作の断片をたどりながら新たな物語を紡ぎ出すことを試みる。

会期:2024年11月2日~2025年1月26日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
開館時間:10:00~18:00
休館日:月、11月5日、年末年始(12月27日~2025年1月3日)、1月14日(ただし11月4日、1月13日は開館)
料金:一般 900円 / 高校生以下・70歳以上 無料

「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」(金沢21世紀美術館

Fabbrica dell’Aria® PNAT 2023 © photo Takumi Ota

 今年開館20周年を迎える金沢21世紀美術館が、「新しいエコロジー」という年間テーマに呼応して、「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」を開催する。会期は11月2日~2025年3月16日。

 本展は、社会や精神までを含みうる、総合的なエコロジー理論の行く末を、アーティストの鋭敏な感性と観察を通じて作品として展示するもの。同じヴィジョンを共有する科学者や哲学者などの研究者たちと協働し、専門的な内容を視覚化、可感化することで、感覚を通した学び(Sensory Learning)を見るにものに伝える。

 また、アフリカ、南アメリカ、アジア、欧米の芸術家、クリエイターが集い、美術館の空間のなかでお互いにダンスを踊るように生命とともに生き延びるための知恵を分かちあう内容となっている。

会期:2024年11月2日~2025年3月16日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00) ※観覧券販売は閉場の30分前まで
休館日:月、 11月5日、12月29日~2025年1月1日、1月14日、2月25日(11月4日、2025年1月13日、2月24日は開場)
料金:一般 1400円 / 大学生 1000円 / 小中高生 500円 / 65歳以上 1100円

「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」(アーティゾン美術館

毛利悠子 《Piano Solo: Belle-Île》のためのスケッチ 2024

 アーティゾン美術館では、2020年の開館以来、石橋財団コレクションとアーティストとの共演「ジャム・セッション」展を毎年開催している。第5回目となる本展は、今年のヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館の代表作家・毛利悠子を迎えて11月2日に開幕。

 毛利は、おもにインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間が潜在的に有する流れや変化する事象にかたちを与え、立ち会った人々の新たな知覚の回路を開く試みを行っている。

 毛利の国内初大規模展覧会である本展では、新・旧作品とともに、作家の視点から選ばれた石橋財団コレクションと並べることで、ここでしか体感できない微細な音や動きで満たされた静謐でいて有機的な空間に来場者を誘う。

会期:2024年11月2日~2025年2月9日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、11月5日、12月28日〜1月3日、1月14日(11月4日、1月13日は開館)
料金:一般 1200円(ウェブ予約)/ 大学生、専門学校生、高校生 無料(要ウェブ予約)/ 中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名 無料(予約不要)

「ひとを描く」(アーティゾン美術館

アンドレ・ドラン ヴァイオリンを弾くヴラマンクの肖像 1905 石橋財団アーティゾン美術館

 ヨーロッパの美術の歴史を見てみると、「ひとを描く」ことは作品制作の重要な要素のひとつだった。たとえばエドゥアール・マネやポール・セザンヌの自画像は、自らの技量を示すことのできる題材であると同時に、様々な新しい表現の実験の場でもあった。またピエール=オーギュスト・ルノワールの手がけた肖像画は、画家にとって重要な生活の糧となっていた。さらに、物語に登場する人物を描いた作品もある。

 本展では、石橋財団コレクションから、古代ギリシア陶器と近代ヨーロッパの絵画作品などの合計85点で、人物表現の豊かさを紹介する。

会期:2024年11月2日~2025年2月9日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金〜20:00) (最終入館は閉館の30分前まで)
休館日:月、11月5日、12月28日〜1月3日、1月14日(11月4日、1月13日は開館)
料金:一般 1200円(ウェブ予約)/ 大学生、専門学校生、高校生 無料(要ウェブ予約)/ 中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名 無料(予約不要)

「アーティザナル 2024 エキシビション 東京」(メゾン マルジェラ トウキョウ)

メインビジュアル

 メゾン マルジェラが2024年のアーティザナル・コレクションを多角的に展示する「アーティザナル 2024 エキシビション 東京」を、東京・恵比寿のメゾン マルジェラ トウキョウで開催する。会期は11月2日〜24日。

 本展は、オートクチュールコレクションを様々なアングルから検視するポスト・モーテム(事後解剖)として、クリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノが考案した展示形式で行われるもの。来場者は、ジョン・ガリアーノ自身が着想源やテクニックについて語るオーディオガイドを聴きながら展示を見ることができる。

 会場ではコレクションのインスピレーション源となった写真家ブラッサイを代表する作品のひとつ、マダム・ビジューのポートレートを展示。さらにショーの場面を切り出すようにクリエイティブの要素を細かく解剖するとともに、ショーにおけるモデルのポージングをそのままに展示。加えて、19世紀のスレートの解剖台の上にガーメントを置くことで、その構造を明らかにするという。

会期:2024年11月2日~24日
会場:(メゾン マルジェラ トウキョウ
住所:住所:東京都渋谷区恵比寿南2-8-13 キョウデンビル 2、3階
開館時間:11:00~20:00 ※入場は閉店の30分前まで 
休館日:会期中無休
料金:無料

「黙: Speaking in Silence ‒Bosco Sodi & Izumi Kato」(両足院)

©2024 Bosco Sodi, ©2024 Izumi Kato / Installation view at Ryosokuin Zen Temple, Kyoto Japan

 京都の名刹・建仁寺。その塔頭寺院である両足院で、「黙: Speaking in Silence ‒Bosco Sodi & Izumi Kato」が開催される。会期は11⽉2⽇〜17⽇。

 本展は、メキシコのボスコ・ソディと日本の加藤泉による2人展。2007年に知り合ってから⻑年の友好関係を持つふたりが自ら企画した初の展覧会だ。本展のために制作された新作約30点のほか、通常は法要や坐禅が⾏われている⽅丈や、かつて僧侶が書斎などとして使⽤していた⼤書院、そして京都府の名勝庭園に指定されている池泉回遊式庭園など、寺院建築やランドスケープを活かしたインスタレーションにも注目だ。

 またボスコ・ソディ、加藤泉のアートワークから本展のためにデザインされた両⾜院の特製「健康御守」も限定数販売。アーティストとつくる御守は両⾜院としても初の試みだという。

会期:2024年11⽉2⽇〜17⽇
会場:両足院
住所:京都府京都市東⼭区⼤和⼤路通四条下る4丁⽬⼩松町591
開館時間:13:00〜17:00 ※入場は16:30まで 
休館日:無休
料金:特別拝観料 (⼤⼈1000円 / ⾼校⽣以下 500円 ※現⾦のみ)が必要

「線表現の可能性」(国立国際美術館

ベルナール・フリズ ガルブ 2003 国立国際美術館蔵 Courtesy of the artist

 大阪の国立国際美術館で、特別展「線表現の可能性」が開催される。会期は11月2日~2025年1月26日。

 線描画は、かつては完成作のための習作や下絵として描かれ、対象の形態を明確に輪郭づけるためのデッサンとしての役割を担ってきた。しかし近代に入ると、線表現そのものに独立した価値が見いだされ、20世紀以降に誕生した抽象絵画では、線そのものが有している造形性に注目が集まるようになった。線は絵画の原点であると同時に、その表現領域を拡大し続ける、古くて新しいテーマとなっていった。 

 本展では、国立国際美術館の所蔵品のなかから版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代美術における線表現の多様性を紹介。日頃、意識することの少ない線という存在が、人々の視覚にどのような作用を及ぼすのか、その検証の場となることだろう。

会期:2024年11月2日~2025年1月26日
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
電話番号:06-6447-4680
開館時間:10:00~17:00(金土~20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、11月4日、1月13日は開館)、11月5日、年末年始(12月28日~1月4日)、1月14日
料金:一般 1200円 / 大学生 700円 / 高校生以下・18歳未満、心身に障がいのある方とその付添者1名 無料

「グループ展」(タカ・イシイギャラリー 京橋)

五木田智央 Masquerade 2024 © Tomoo Gokita / Photo: Kenji Takahashi

 タカ・イシイギャラリーは、東京の中心に位置する京橋のTODA BUILDINGに新スペースを開設。オープニング展として、ポートレートをテーマとしたグループ展を開催する。会期は11月2日〜12月14日。

本展では 11 名の作家による約 14 点の作品を展示。参加作家は荒木経惟、五木田智央、掛井五郎、サーニャ・カンタロフスキー、川原直人、グラハム・リトル、松岡一哲、森山大道、村瀬恭子、セル・セルパス、山下紘加。

会期:2024年11月2日〜12月14日
会場:タカ・イシイギャラリー 京橋
住所:東京都中央区京橋 1-7-1 TODA BUILDING 3F
開館時間:11:00 – 19:00
休館日:日、月、祝日
料金:無料